引用記事:Wikipedia
フクロオオカミがなぜ絶滅したのか理由が気になりますよね。
現在は野生下でも飼育下でも実際に見ることができないフクロオオカミですが、この原因を作ったのは私達人間やディンゴとの争いなどだと言われています。
タスマニアンタイガーとも呼ばれるフクロオオカミの絶滅した理由について詳しく調査しまとめましたので、参考にご覧ください。
フクロオオカミとは?
フクロオオカミとは、オーストラリア区にかつて生息していた見た目がオオカミです。
オオカミとは言っても、実際はカンガルーやコアラのように育児嚢(いくじのう)を持つ有袋類です。
約3000万年前ほど前にフクロネコ類から進化したと言われています。
そして、ユーカリが点在する草原から密林まで広い範囲を縄張りとして大型のカンガルーからワラビー、コアラなどを襲って食べていたとも言われています。
動物園で飼育されていた記録によると、性格は意外にも大人しい姿を見せ、低い唸り声や咳込むような吠え方をします。
カラー映像はこちらになります。
フクロオオカミが絶滅した理由とは?
約3万年前、人類はオーストラリア区への移住が栄え、同時に飼い犬としてディンゴも持ち込まれました。
人間は狩りをしますし、ディンゴも群れを作って狩りをします。
しかし、フクロオオカミは1~2頭で暮らすことから、この争いに負けたとされています。
まずはニューギニアから姿を消し、次第にオーストラリア全土からも見かけることはなくなりました。
ただ、タスマニアの洞窟ではディンゴが入らなかったことから生存し続けていたとも言われています。
しかし、1770年にキャプテン・クックがユニオン・ジャックを掲げてからタスマニアに残っていたフクロオオカミにとっても絶滅物語が始まりました。
ヨーロッパからもタスマニアに移住が始まり、彼らが飼育していたニワトリなどをフクロオオカミが襲い始めたことから害獣として人間から駆除の対象とされました。
銃、罠、そして毒を使用し、さらには政府が懸賞金をかけ、この期限内までの22年間の間に捕獲されたフクロオオカミは2268頭です。
さらには捕獲されたフクロオオカミの全身を叩いて砕いていたことから標本もほとんど残っていません。
もちろん懸賞金の制度がなくなった後も駆除は続き、1930年には野生下で最後の1頭と言われていた個体が撃たれました。
その翌年にはロンドン動物園で飼育されていた最後の1頭も死亡したことで絶滅したと思われましたが、1933年に最後と言われた1頭が捕獲後にホバート動物園で飼育され、1936年に死亡しました。
この後からはフクロオオカミが捕獲された記録は残っていません。
フクロオオカミの目撃情報が相次ぐ
フクロオオカミが絶滅したと言われている中で、翌年1937年にタスマニアで目撃情報が得られました。
このことから、政府はフクロオオカミを保護獣として指定しました。
この後も1957年、1960年と立て続けに目撃者が現れています。
タスマニア大学のギラー教授のグループも生存に期待し、赤外線センサーを使用した調査を進めているが、今のところフクロオオカミの生存に関する確かな情報は得られていません。
ところが、1997年にインドネシアのイリタンジャヤにおいて家畜が襲われているとの報告が相次いでおり、フクロオオカミの生存説が浮上しています。
地元の県知事も「捕獲による賞金を200万ルピア(10万円相当)出す」とし、フクロオオカミの生存に関する確かな証拠に期待しています。
フクロオオカミが復活する?
フクロオオカミが絶滅した理由は私達人間が原因であることから、同様な理由で絶滅したリョコウバトも復活させるべきだと専門家は口にします。
現在はクローン技術も進んでいます。
1997年にはイギリスのロスリン研究所において、羊の胎児の細胞を使ったクローン技術として「羊のポリー」が誕生しています。
また、中国科学院の神経科学研究所では、このドリーと同様の体細胞を使ったクローン技術でクローン猿を誕生させたとされています。
そして、フクロオオカミの復活も米国のコロッサル・バイオサイエンス社とオーストラリアのメルボルン大学の共同プロジェクトとして進められており、既に標本から抽出したDNAからフクロオオカミのゲノム配列を明らかにしたとされています。
今後はフクロネコ目の「フトオスミントプシス」の遺伝子を編集し、フクロオオカミを復活させるとの計画だと言われています。
近い未来、フクロオオカミはまたオーストラリアの地を踏む日が来るかもしれません。
参考書籍:世界の珍獣図鑑