現在コアラは生息数を減らしています。
その理由として、天敵の存在は大きいと考えられています。
また、その他にも山火事などの影響を受け、野生のコアラが消滅した地域もあるほどです。
コアラの天敵や生息数を減らす原因について考えていきましょう。
コアラの天敵とは?
コアラは木の上にいるイメージがありますよね。
そのため、かなり天敵も絞られる可能性もありますが、どのような肉食動物が天敵になるのかというと、
天敵リスト
・ディンゴ
・オオトカゲ
・ニシキヘビ
・オナガイヌワシ
・オニアオバズク
・フクロオオカミ
・野犬
※絶滅したとされている
などが含まれます。
また、襲われやすいのは若いコアラとも言われています。
それぞれの天敵がコアラを襲う理由などを解説していきます。
ディンゴ
ディンゴは基本的に群れで移動しますが、中には単独で生きる個体もいます。
そもそもディンゴはオーストラリアには生息していませんでした。
専門家によると、約3500年前にアジアから移動したことが判明しています。
ただ、ディンゴは木には登らないため、コアラが木の上にいるときは比較的安全です。
しかし、コアラが地上に降りた際にはディンゴに食べられる可能性も一気に高まります。
コアラの最大の弱点は足が遅いことです。
そのため、コアラが地上にいるときは俊敏なディンゴには敵いません。
しかもディンゴは群れで狩りをする傾向にもあるため、コアラが無事に木の上まで避難することも至難の技です。
オオトカゲ
ゴアンナとは、オーストラリアのオオトカゲとして最も有名です。
体長は約3mにもなるため、かなり大型であることが分かりますね。
もちろん肉食性であり、さらに毒腺を持ちます。
基本的には地上にいますが、木登りも得意なためコアラを狙うこともあります。
ゴアンナにはフォーク状の舌があり、匂いでコアラを察知することができます。
そして、噛みつくことで獲物に毒を与え、血液を固まらせなくする作用があるため、ゴアンナに噛み疲れたコアラは出血多量でも死んでしまいます。
パイソン(ニシキヘビ)
世界には31種のパイソンがいますが、その中の14種がオーストラリアに生息しています。
基本的にパイソンは毒を持たない蛇ですが、特技の締め付けで獲物を殺すことでも有名です。
ヘビですのでコアラが木の上にいようが地上にいようが、パイソンには関係ありません。
静かに近づき、コアラに喰らいついて締め上げます。
パイソンより大型のコアラでも飲み込むことができるため、若いコアラでなくても捕食対象となります。
オナガイヌワシ
オイガイヌワシはオーストラリアでも最大の猛禽類です。
地元ではブンジーと呼ばれており、空からの捕食者と恐れられています。
空から強力な爪でコアラを捕らえ、鋭いくちばしで肉を引き裂きます。
コアラは地上に潜むディンゴなどの捕食者を避けるため、基本的に高い木に登って休みますが、空からも捕食者はいることを忘れてはいけません。
オニアオバズク
※アオバズクの幼鳥
オニアオバズクも大型のフクロウで、オーストラリアに生息するフクロウの中では最大種です。
巨大な足で木の上に潜むコアラを簡単に捕らえることができます。
フクロオオカミ
引用画像:Wikipedia(フクロオオカミ)
フクロオオカミは、1933年に最後に目撃されたとし、既に絶滅したと言われています。
最大の肉食有袋類として知られていますが、過去にはコアラの天敵の1種でした。
フクロオオカミも群れで狩りをするためだけでなく、さらに待ち伏せをしてコアラを捕食することが研究調査からも分かっていると言われています。
参考記事:Factking.COM
コアラの生息数が3年で3割も減少
豪動物保護団体のオーストラリアコアラ基金は、オーストラリア国内でコアラの生息数が過去3年間で3割も減少したとの調査結果を発表しました。
これにより、オーストラリアに生息するコアラの生息数は、少なくても約3万2000匹ほどだと予想されています。
この主な原因として、ニュースでも火傷を負ったコアラが保護された映像が流れ皆が衝撃を受けた2020年にかけて半年間も続いた大規模森林火災だと言われています。
※生息数は最多で約5万8000匹
また、これまで野生のコアラは128地域ので生息していましたが、現在は47地域で野生のコアラが消滅したとされています。
参考記事:JIJI.COM
コアラが死ぬ人為的な原因
コアラの天敵には様々な野生動物がいますが、最も生息数に悪影響を与えているのは私達人間の存在です。
コアラが死ぬ人為的な原因として、
コアラの死因
・交通事故
・立ち枯れや森林伐採などによる生息域の減少
※喧嘩や餌不足など
・飼い犬や飼い猫による襲撃
・殺虫剤などによる被害
など様々です。
これらの原因により、毎年約4000頭ものコアラが命を落としているとされています。
また、ストレスや環境などな影響によりクラミジアや皮膚がんなどの病気におかされているコアラも少なくありません。
コアラが住みやすい環境作りを
コアラの生息数が減少していますが、まだまだ序の口かもしれません。
もしかすると、さらに3年後、6年後と時間が経過する度にコアラの生息数は減少し、いずれは絶滅してしまう可能性も考えられます。
だからこそ、コアラの生息域や安全を守る環境作りを徹底していく必要がありますね。