キオビエダシャクに天敵はいるのか気になりますよね。
繁殖力も高く、毒性もあることから、人への影響について問題視されています。
宮崎県でも大量発生のニュースが報道されたりと、駆除についても悩みが絶えません。
このキオビエダシャクには天敵がいるのか、駆除方法や人への影響について確認していきましょう。
キオビエダシャクとは?
キオビエダシャク(Milionia basalis)とは、鱗翅目(チョウ目)シャクガ科、エダシャク亜科に分類される蛾の仲間です。
日本だけでなく、インドや台湾、マレー半島などにも生息しています。
北海道や関東、東海地方などに住む方には馴染みのない昆虫ですが、南西諸島や宮崎県など九州で確認されており、四国でも成虫が確認されています。
幼虫はシャトクリムシであり、ナギやイヌマキの害虫としても知られています。
キオビエダシャクの天敵
基本的に蛾の幼虫には天敵が多く、カエルやカマキリ、カラスなど様々な生き物に補食されます。
しかし、キオビエダシャクには天敵がいないと言われています。
その理由は、先ほど解説しましたイヌマキの葉を食べることなどが関係します。
イヌマキの葉や実には「イヌマキラクトン」と呼ばれる毒性の成分が含まれています。
この緑色の実を食べると下痢や嘔吐の症状が出ます。
キオビエダシャクはこの毒性に対し解毒性があるため、イヌマキの葉を食べたキオビエダシャクには毒素が沈着していくようです。
そのため、天敵はキオヒエダシャクを食べることがなく、天下無敵の存在になったということですね。
とはいえ、最大の天敵は駆除をする私たち人間だと言えます。
他にも見つかっていないだけで、毒性に耐性のある鳥類や昆虫、両生類などが補食している可能性はゼロとは限りません。
キオビエダシャクの人の関係【大量発生はなぜ起きた?】
キオビエダシャクは、1910年代からとくに南西諸島で大量発生が繰り返されていたと考えられ、記録も残されています。
実際には、1950年代に初めて侵入が確認されたと言われていますが、この個体群は数年の間に絶滅されたとの記録があります。
しかし、その後に再度日本へ侵入した個体群は、近年継続的に発生が確認されています。
6月中旬~7月下旬に多く発生する傾向にあり、2022年~2023年はとくに多い年になりました。
また、以下のとおり、
何月に大量発生しやすい?
・4月
・6月
・8月
・10月
年に4回大量発生するため、各地で対策をされています。
では、キオビエダシャクの駆除方法について確認していきましょう。
キオビエダシャクの駆除方法
キオビエダシャクには天敵が基本的にいないことから、この天敵を駆除に活用することは難しいと言えます。
駆除方法は、キオビエダシャクの幼虫が好物のイヌマキに農薬を散布することが一般的です。
しかし、人に害がある農薬もあるため、散布時は皮膚に触れないように対策しましょう。
【対策例】
・帽子
・ゴーグル
・マスク
・手袋
・薬剤散布用のカッパ
・長靴
トレボン乳剤がとくに有効の1つとされ、頻繁に使用されています。
幼虫が発生する初期に散布すると効果的です。
※年に4回発生する時期の前
また、薬剤散布する天候の条件ですが、効果を最大限に高めるため、以下の状況を守りましょう。
天候の条件
✕⇒日差しが強い日
✕⇒雨が強い日
✕⇒風が強い日
◯⇒曇りの日
◯⇒雨が降っていない朝や夕方
キオヒエダシャクの天敵を駆除に活用できない
キオビエダシャクには毒性があるため、基本的に天敵がいません。
そのため、鳥や両生類などの天敵も手を出せず、年に4回も大量発生します。
駆除方法は農薬の散布が基本になります。
しかし、天候の条件により効果が半減する可能性があるためご注意ください。
くれぐれもキオビエダシャクを食べないようにご注意ください。
毒性の影響で下痢や嘔吐などに繋がります。