カマキリの寿命について気になりますよね。
昆虫によっては数ヶ月から数年生きる種類もいます。
ポイント
・カマキリの種類ごとにどのような違いがあるのか?
・ギネス記録はいくつなのか?
・飼育下や野生下での違い
などについてもまとめましたので、カマキリの寿命について参考にご覧ください。
カマキリの平均寿命は?
カマキリの平均寿命を種類ごとに調査してまとめました。
また、カマキリの中では人気の「ハナカマキリ」の場合はどうなのかについても参考にご覧ください。
オオカマキリの平均寿命
オオカマキリは基本的に「4月頃に生まれ、10~11月頃に寿命を迎える」という生涯と言われています。
しかし、ブログやYouTubeなどを確認すると、飼育下では
・最長1年4ヶ月
・翌年の5月
などの情報も見つかっています。
野生化では越冬できない個体がほとんどなため、飼育下では平均寿命も伸びやすいと言えます。
※その他に餌の関係なども含む
また、後半の「Q&A」で解説もしていますが、地域により孵化のタイミングや気温の変化も異なるため、必ずしも「4月~11月前後」までが平均寿命になるとは限らないと予想できます。
ハラビロカマキリの平均寿命
ハラビロカマキリもオオカマキリと同様に、「4月頃に生まれ、10~11月頃に寿命を迎える」という生涯となります。
ただ、飼育下では年越しを迎えられた実績もあるため、ハラビロカマキリの場合も野生化よりも平均寿命は伸びやすいと考えられます。
コカマキリの平均寿命
コカマキリの平均寿命も、オオカマキリやハラビロカマキリと同じと言われています。
私の地元では夏から秋にかけて良く見られましたが、やはり冬にみかけたことは1度もありませんでした。
そのため、コカマキリの場合も基本的には3~4月に孵化し、10~12月が寿命となる可能性は高いと言えます。
ハナカマキリの平均寿命
ハナカマキリは日本には生息していません。
マレーシアなど東南アジアに生息するカマキリです。
飼育下では1年が平均寿命だと言われています。
ただ、野生下での平均寿命に対しては、
オス:孵化から脱皮を5回ほど行い、1ヶ月ほど成虫として生きる
メス:5、6ヶ月の間に脱皮を6、7回行い、1~2ヶ月ほど成虫として生きる
このような違いがあります。
オオカマキリと比較しても平均寿命は「自然下で約7ヶ月」と同じくらいだと言えます。
【カマキリの寿命】ギネス記録は?
国内のカマキリで調査してみましたが、ギネス記録は見つかりませんでした。
情報の中で最も長いと言われているのは「オオカマキリの1年4ヶ月」でしたが、情報も定かではないため信憑性は高いとは言えません。
基本的に野生化では越冬できないと言われているため、基本的に4月に生まれた場合は最長でも12月と考えた場合、約8ヶ月がギネス記録になるでしょう。
ただ、飼育下では「5月まで生きた」との情報も見つかっているため、ギネス記録としては「1年1ヶ月」が正しいのかもしれません。
カマキリの寿命は生存率により異なる?
カマキリの寿命は無事に成虫になれた個体に限ります。
そのため、1つの卵から孵化した個体全ての平均寿命で考えると、かなり短いものとなります。
オオカマキリは、自然下において一つの卵鞘から孵化する幼虫は200~300匹です。
しかし、その中で成虫になれる個体は2、3匹とも言われています。
成虫として生きられる期間は「8月~10月ほど」であり、個体によっては12月まで生息するケースもあります。
参考記事:wikipedia(オオカマキリ)
このように、カマキリが1つの卵から無事に成虫として生涯を終えることができる可能性は「約1%」ということになります。
そのため、カマキリは無事に孵化できない個体から孵化してすぐに食べられる個体も含め、かなり生存率も低いものと言えます。
【検証】カマキリを飼育した結果
私は子供の頃からカマキリが1番好きな昆虫でした。
お気に入りの空き地があり、そこで放課後は毎日のようにカマキリを捕まえて飼育していました。
冬の時期にオオカマキリやハラビロカマキリなどの卵を見つけることもあったので、孵化させて飼育した経験もあります
ただ、1年以上生きた個体はいませんでした。
正月を迎えた個体もいましたが、それでも春まで生きた個体はゼロでしたのでカマキリを2年生かすことは難しいと感じます。
カマキリは基本的に7~8回ほど羽化した後に成虫として交尾し、産卵して子孫を残します。
オオカマキリのメスの場合ですが、成虫になってからは3回ほど産卵します。すぐに3回産卵する訳ではなく、「産卵→食事」を繰り返して栄養を蓄え、産卵に対しエネルギーを再度使います。
飼育下となりますが、成虫になったオオカマキリのメスが3回産卵して寿命を迎えるまでの期間は、平均して2ヶ月ほどでした。
産卵にエネルギーを使い果たし、一気に元気がなくなる個体も少なくありません。
産卵後に十分な餌を確保できない場合もエネルギー不足で力尽きてしまう可能性が高まるようにも感じます。
その理由として、コモンフラワーマンティスの成虫がうちに来てから9回産卵したことがあります。
この個体は産卵後にぐったりと元気がなくなり、頭を下にしてピクリとも動かなくなっため、最後に餌をたっぷり食べさせてあげたところ、それから1ヶ月も生き続け、さらに産卵を3回おこないました。
※通常、この状態になると餌も食べなくなり死んでしまうことがほとんどである
卵の形はいびつですが、まさか寿命だと思ってから1ヶ月も生き続けてくれるとは思いませんでした。
カマキリの寿命を伸ばす秘訣は環境も大切ですが、お腹一杯食べさせてあげることだと感じます。
もちろん個体差により食欲も異なりますが、その個体が食べやすいサイズのコオロギやゴキブリなどを十分与えることが大切です。
カマキリの寿命【Q&A】
カマキリの寿命について良くある質問をまとめました。
カマキリ好きには気になる内容も多いので、参考にご確認ください。
ただ、あくまでも文献やネットの情報、私の経験からの回答となります。
※まだ判明していないこともあると予想できるため
寿命を伸ばすために注意点は?
カマキリの寿命を伸ばすためにできることは、
・温度管理
・健康管理
・餌の確保
こちらが大切です。
自然下のほとんどのカマキリは12月までに生涯をまっとうするため、飼育下でも同じ状況では正月を越えることは難しいでしょう。
そのため、餌をしっかり与え、温度を20℃ほどに保つ、さらに湿度も乾燥させすぎないように快適な環境を整えてあげることが大切です。
オスとメスで寿命は異なる?
生存率という意味では、オスのほうがメスに食べられる可能性も含め短命であると言えるでしょう。
体長から考えると、メスのほうがオスよりも長生きはしやすい可能性も考えられます。
しかし、飼育下の交尾していない個体はメスと同様に12月、1月と生存した経験もあるため、必ずしもオスのほうが短命であるとは言えないと感じます。
地域により平均寿命は異なる?
九州地方では本州より温かいため、3月には孵化すると言われています。
本州では4月から孵化するケースが多いため、平均寿命としては九州のほうが自然下では長い可能性があるでしょう。
ただ、北海道にはオオカマキリなどは生息していないと言われていますが、チョウセンカマキリなどの発見報告は見つかっています。
士別でチョウセンカマキリ発見 記録では最北 pic.twitter.com/vjx6JOJq5X
— 北海道新聞 (@doshinweb) November 4, 2020
しかし、本州と比べると生息数も極めて少ないと言われています。
そのため、Twitterでもこのようなツイートも見かけます。
庭の花。咲きかけのアジサイのグラデーションがきれい。
3枚目の写真は花の上のちっちゃいカマキリを撮りたかったけどピントが合わなかった。北海道ではカマキリを見かけないんだよなー。 pic.twitter.com/LM1jlrgKZR— 藤沢チヒロ🍶🍣 (@uwabamic) June 2, 2022
北海道では特に気温も早い時期から低下するため餌も少なくなり、生息地域によりカマキリの平均寿命も異なると予想できます。
産卵で弱ったら死んでしまう?
カマキリは1度産卵したらすぐに死ぬ訳ではありません。
生涯に2、3回産卵する個体もいるほどです。
私もお腹の大きなオオカマキリを産卵させた経験が何度かありますが、すぐに弱った個体もいれば、元気にコオロギを食べていた個体もいました。
もちろんその個体が過去に何度産卵していたのかについては分かりませんが、産卵後も元気な個体は意外と少なくありませんでした。
交尾をしたらオスは必ず食べられる?
カマキリが交尾をしたらオスが食べられると言われています。
実際に自然下でも何度か見かけたことがあり、子供の頃は頭のないオスのカマキリが動いていたことに衝撃を受けた記憶があります。
しかし、その確率も100%とは程遠いデータであることも研究結果で発表されています。
「交尾相手を食べる習性を持つ種」において、メスがオスを食べる割合は13~28%だという。
2016年に発表された研究結果では、メスのオオカマキリは交尾相手を食べた際にアミノ酸を摂取し、オスを食べたメスは通常の2倍の数の卵を産むという。
参考記事:ナショジオ
カマキリの寿命は自然下と飼育下では異なる
カマキリの寿命は自然下では基本的に「3~4月に孵化し、10~12月に生涯を終える」という形となります。
しかし、飼育下では1年以上生きた個体もいると報告されているため、餌や温度管理などを徹底することで、平均寿命を少し伸ばすことは可能だと言えます。
カマキリは生存率も約1%と極めて低く、交尾の際にはメスがオスを食べることもあるため、壮絶な生涯を過ごします。
私達が自然を大切にし、より多くのカマキリ達が暮らしやすいように管理することも大切ですね!