シャチの平均寿命は何年になるのか気になりますよね。
今回は研究結果を調査し、有力な情報をまとめました。
調査を進める中で、子供の死亡率は43%を越えるとの噂も耳にしました。
シャチの平均寿命は何年になるのか、参考にご覧ください。
シャチの平均寿命について
シャチの平均寿命については、「SeaWorld Parks & Entertainment」さんの記事に詳しく解説されていました。
シャチの寿命の推定にはさまざまな方法があります。シャチの寿命がはっきりわかっていると信じている研究者もいるが、科学界はこのテーマについてまだ完全には合意していない。
歯の成長層を数えることによって、科学者たちは北大西洋のシャチの寿命が35年であることを発見した。この方法は、現在も研究が進められている。
太平洋岸北西部におけるシャチの写真識別は1973年に開始され、これまでで最も長い鯨類の野外調査のひとつとなった。
出生時を考慮すると、ミナミおよびキタ・レジデントのシャチの平均寿命は、メスが約29年、オスが約17年です。
シャチが最初の6ヵ月を生き延びた場合、メスの平均寿命は46~50年、オスの平均寿命は30~38年となる。
調査を続ければ、世界中のシャチの個体群に寿命の違いが見つかる可能性があります。
このように、シャチの寿命を調べる際には「歯の成長層」を確認する方法が採用されています。
また、子供のシャチが最初の6ヵ月を生き延びた場合に限り、
シャチの寿命
メスの平均寿命:46~50年
オスの平均寿命:30~38年
このような平均寿命になると解説されています。
オスよりもメスのほうが長生きする傾向にあるということですね。
しかし、この研究結果はあくまでも北大西洋のシャチに限ります。
日本近海など世界中のシャチの平均寿命を研究した場合、生息域や群れにより予想外の死因が関係してくる可能性があります。
※シャチの天敵について解説した記事に、シャチの生息域による食性の違いなどについても詳しく解説していますのでご確認ください。
⇒シャチの天敵【一覧】人間が絶滅させる?マッコウクジラやサメとの生存争い
水族館のシャチは寿命が長い?
様々な動物や昆虫において、飼育下と野生下では平均寿命が異なります。
シャチも水族館で飼育されている生き物の1つであり、野生のシャチと平均寿命は異なるのか気になりますよね。
最新の研究によると、水族館のシャチの寿命は野生のシャチの寿命と同等であることが示唆されています。
しかし、水族館で飼育されているシャチの主な死因を調査すると、
死因
・感染症
・大量に石を飲み込んだことによる肺炎
・練習による不慮な事故
※通路に出てしまい、肺を破裂した失血死
このように感染症以外に予想外の事故が原因で死亡している個体も少なくありません。
そのため、水族館で水質や栄養管理、体調管理などを徹底することで平均寿命を伸ばすことはできると予想はできますが、不慮の事故も含めると平均寿命は意外と長くはないのかもしれません。
野生のシャチの死因とは?
野生のシャチの平均寿命についてもいろいろ分かってはいますが、死因についても把握しておかなければ、絶滅危惧種であるシャチを保護する際にも対策が追い付きません。
座礁による死
シャチの死因には感染症などの病気も少なくありません。
深刻なレベルにまで悪化し衰弱した個体、あるいは怪我や寿命により泳ぐことができないほど弱っていた場合は座礁することがあります。
アラスカのケースですが、潮が急速に引いたことが原因でシャチが座礁したことがあります。
また、シャチは家族など集団で生活していますが、単独ではなく集団で座礁することもあります
※集団座礁
感染症などの病気が座礁の原因であれば、座礁が直接的な死因ではありませんが、実際には私達人間が原因で体調不良を起こして座礁した可能性もあります。
化学物質などによる死
このあと解説しますが、子供のシャチが産まれてから半年間までの死亡率は極めて高いと言われています。
死因も原因不明であるケースが多い状況ですが、化学物質やPCB(ポリ塩化ビフェニール)などの影響を受けている可能性があります。
デンマークのオーフス大学などの研究グループによると、健康なメスのシャチは約15〜40歳までに3年に1頭のペースで子を産むが、PCBの影響により生殖ホルモンや免疫システムが乱された場合、出生率の低下だけでなく、子供シャチの免疫力が低下すると警告している。シャチは子育ての際に高脂肪のミルクを授乳するが、PCBは脂肪に溶けるため、PCBを子にそのまま与えてしまう危険性も高い。
参考記事:ヤフーニュース
同じ鯨類であるイルカやクジラの寿命や死因についてはこちらをご確認ください。
⇒【イルカの平均寿命】水族園のイルカは短命?種類別に比較した結果
⇒【一覧】クジラの寿命は何年?【種類別・死因・ギネス記録など】
子供のシャチは死亡率が43%?
子供のシャチだけでシャチの平均寿命が大幅に減少していると予想できるほど、生後6ヶ月の死亡率は高いと言われています。
理由は不明だが、研究者たちはシャチの子供の生後6ヶ月間の死亡率は「非常に高い」と考えている。たとえば太平洋岸北西部では、子供の43%が生後6ヶ月で死亡すると推定されています。他のシャチの個体群では、子供の死亡率は生後1年間で50%に達することもある。
そのため、地域にもよりますが、子供のシャチが生後半年から1年を乗り越えることで生存率は高まると予想できます。
子供の死因は原因不明であるケースが多いと言われていますが、親と泳いでいた子供のシャチが急死し、16日間も母親が死んだ子供を連れて泳いだ記録も残っているほど愛情深い生き物でもあります。
この子供のシャチの死因が化学物質やPCBなどであれば、私達はシャチが悲しむことがないよう早急に対策を進めていかなければいけません。
シャチの平均寿命には子供の生存率が関係
シャチの寿命は、子供のシャチが生後6ヵ月を生き延びた場合、メスの平均寿命は46~50年、オスの平均寿命は30~38年と言われています。
そのため、子供の生存率を含めて計算すれば、シャチの平均寿命はもっと低いものとなります。
死因の主な原因が私達人間による化学物質やPCB、釣り針の誤飲などであれば、私達1人1人が地球環境などに対しもっと深刻に考える必要があります。
シャチだけでなく、クジラやイルカなど様々な野生動物にも悪影響を与えている可能性は十分に考えられます。