カナヘビは人になつくとの噂があります。
子供の頃にカナヘビが手の上で寝る姿を見たこともあり、ずっと気になっていた疑問でもありました。
この噂の真相について、実際に野生のカナヘビを捕まえて飼育し、本当になつくようになるのか確認しました。
行動にどのような変化が出たのか、さっそく解説していきます。
「カナヘビが人になついた」と言われる理由
「カナヘビは人になつく」との意見も多く、その主な理由として
人になつく理由?
・飼い主を怖がらなくなった
・手の上で寝るようになった
・餌を直接食べてくれた
このような変化を感じられたことから、カナヘビは人になつく生き物だと思われています。
しかし、これはあくまでも噂であり、勘違いなのではと私は感じております。
どの生き物でも偶然人になついたような変化を感じれば、人に慣れてきた、○○は人になつくと勘違いしされやすいです。
カナヘビは人になつく?
カナヘビは人になつくのかと聞かれれば、後半でも検証結果をまとめていますが「なつかない可能性が高い」と答えます。
というのも、カナヘビには人や犬、猫のように社会性を学ぶ生き物ではなく、状況によっては共食いまでします。
カナヘビが人になつく理由も手の上で寝る、直接餌を食べてくれるなどですが、野生のカナヘビを捕まえ、その場でピンセットから餌を直接食べることもあります。
手の上で落ち着かせ、日光浴をさせていれば目を閉じて寝ることもあるほどです。
ということは、これらの行動はカナヘビが人になつく理由とは言えないということですね!
しかし、警戒心が和らいで人に慣れる個体はいるように感じます。
カナヘビは私達のように記憶を繋ぎ合わせて「あの人は餌をいつもくれる人だ」とは考えないと言われていますが、証明された研究などは見つかっていません。
もしかすると、ミドリガメのように人に慣れている個体もいる可能性はあるのではと感じます。
⇒【観察記録】ミドリガメが人になつく噂は本当?【コツと注意点について】
卵から育てると人になつく?
カナヘビを卵から育てると、アヒルのように初めて見た物を親として認識するのか?
答えは「NO」です。
カナヘビを実際に卵から育てた動画が公開されています。
「警戒心がゼロ」だと野生の個体よりも少ないような解説をされています。
こちらは私も実際にカナヘビを卵から育てたことがないため分かりませんが、もしかすると警戒心に個体差があるのかもしれませんよね。
カナヘビが人になついたYouTube動画は偽造?
YouTubeでも「人になついたカナヘビはこうなります」と映像を公開されています。
ただ、ワンシーンの映像だけではなんとも言えません。
カナヘビが直接餌をピンセットから食べてくれるから人になついたとも言えませんし、後をついて歩いてくることもありません。
むしろ、捕まえようとすれば逃げ回る個体がほとんどです。
落ち着き具合にも個体差があるため、大人しい子は飼育ケースから簡単に捕まえることができます。
YouTube動画では、良いシーンが撮れるまで繰り返し撮影しているため、偶然カナヘビが人になついたように感じるシーンが撮影できれば、その映像を観た多くの方が「カナヘビは人になつく生き物だ」と勘違いします。
YouTubeではカナヘビだけに限らず、無理やり落ち着かせようとする配信者もいるため、エネルギーを使い疲れきった生き物達を撮影するのはどうかと感じます。
【検証】カナヘビが人になつくのか飼育した結果
カナヘビが人になつくのか飼育した結果をまとめました。
私は小学生の頃からカナヘビを捕まえ、友人達と一緒に飼育していたカナヘビを散歩させたりもしていました。
しかし、やはりなついた記憶はありません。
ほとんどのカナヘビは、散歩中に必死で逃げ回っていました。
【初日】警戒心もなくミルワームをピンセットから食べる
我が家のカナヘビは、捕まえた時に少し痩せており、お腹が空いていたのか初日からミルワームを7匹も食べてしまいました。
試しにピンセットから直接あげてみましたが、警戒しつつ食べてくれました。
やはり人になつかないとカナヘビはピンセットから餌を食べないという噂はデマだと言えますよね。
【3日後】手の上で寝るようになる?
飼育から3日後にカナヘビを手の上に載せて寝るのか試してみました。
とはいえ、野生のカナヘビを捕まえ、その場で手の上で寝かせたこともあるため、落ち着かせることができれば寝ると確信はしていました。
案の定、手の上が温かいのか5分ほどで目を閉じ始めました。
カナヘビが手の上で寝るからといって、人になついたとは言えないことが分かります。
【2週間後】観葉植物に隠れてまだ警戒している
カナヘビを飼育し始めてから2週間が経ちました。
しかし、ずっと観葉植物の影に隠れています。
飼育ケースを開けても逃げ回ることはなく、ただ警戒は常にしているため、手で尻尾を撫でたりすればゆっくり逃げていきます。
【1ヶ月後】初日から大きな変化は感じられない
カナヘビを飼育し始めてから1ヶ月経過し、まだ初日から大きな変化は感じられません。
私が飼育ケースに近づいたら寄ってくることもありませんし、散歩させて後をついてくることもありません。
初日から直接餌を食べてくれるため、1ヶ月経過してカナヘビがもっと私になついたと感じられる行動はみられない結果となりました。
とはいえ、警戒心の強さには個体差があるため、飼育ケースの広さや卵から飼育していた場合など状況が変わることで行動に変化が出る可能性はあります。
またこちら検証をしますので、こちらの記事でご報告していきますね!
カナヘビと触れ合うコツ
カナヘビを飼育したら触れ合いたいですよね。
カナヘビを警戒させずに触れ合うコツは、主にこちらになります。
ポイント
・隠れ家を作りすぎない
・広い飼育スペースを確保する
・音や振動を抑える
・直接餌を与える際は舌に触れさせる
隠れ家を作りすぎない
カナヘビ飼育に隠れ家は必須です。
落ち着ける環境がなければカナヘビもストレスを感じやすく、寿命を縮める可能性も高まります。
とはいえ、例えば飼育ケースのほとんどを土管や観葉植物でいっぱいにしてしまえば観察することはできず、人に対し警戒心をさらに高める可能性まで考えられます。
1匹だけであれば、隠れ家に植木鉢や土管、観葉植物を1つ追加しましょう。
広い飼育スペースを確保する
カナヘビが日光浴や歩き回れるスペースを確保することで、カナヘビと触れ合える機会も増えます。
観察する際も、広いスペースのほうが野生下の環境を再現しやすくて面白いですよね。
我が家ではカエル飼育にグラスハーモニーを使用していますが、以前は水槽で飼育しており、上から手を入れると逃げ回っていたところ、横開きの扉に変えてから警戒心がかなり落ち着きました。
カナヘビの場合も横開きの飼育ケースは警戒心を抑えやすいため、100均の飼育ケースよりもピンセットで餌も与えやすくおすすめです。
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音や振動を抑える
音や振動は極力控えるようにしてください。
カナヘビは比較的うるさい音にも反応しない傾向にありますが、雑に飼育ケースを置いたり、フタをバチンバチン閉めていれば、カナヘビには私達が想像する以上のストレスを与え、人に対する警戒心を高めている可能性があります。
私はそっと飼育ケースを外に移動させて日光浴させていますが、いつもそのままのんびりと日光浴をしています。
カナヘビの立場になって扱うことが大切です。
直接餌を与える際は舌に触れさせる
我が家のカナヘビにピンセットで直接餌を与える際は、舌をペロペロしてる時にミルワームが触れるようにすると、お腹が空いていればガブっと噛みつくことがあります。
これは、ヤコブソン器官で匂いを嗅いでいる行動となります。
私達人間にもありますが、退化している器官だと言われています。
カナヘビの餌やりを楽しみたい時は、このようにすると直接食べてくれる可能性も高まります。
カナヘビと触れ合えてもなついている訳ではない
カナヘビは人になつく生き物ではない可能性が高いです。
カナヘビが手の上で寝たから、ピンセットで直接餌を食べてくれるようになったから人になついたとも言えません。
野生のカナヘビを捕まえたその日に手の上で寝ることもあるほどです。
とはいえ、個体差もありますが、人に対し警戒心がなくなってくる個体がいるのではと感じています。
カナヘビは意外と飼育すると大人しく、餌を食べる姿も楽しめます。
触れ合う際には音や振動には注意しつつ、触る時には優しく手に乗せるようにすれば、逃げ回ることも少ないように感じます。
カナヘビは人になつく訳ではありませんが、慣れて手の上で安心して寝る姿などを見たりすると癒されますよね。