オケラは「見た目がモグラのようで可愛い」と女性や子供にも人気の昆虫です。
今回はオケラについて
ポイント
・飼育する際の餌やケースなど
※100均だけで1年以上飼育中
・鳴き声
・捕まえ方
・寿命
・天敵
などについてもまとめましたので、オケラの気になる疑問についてご確認ください。
オケラとは?
オケラは「ケラ」の俗称であり、漢字で書くと「螻蛄」となります。
【分類】
界:動物界
門:節足動物門:
網:昆虫網:
目:バッタ目(直翅目)
亜目:キリギリス亜目
上科:コオロギ上科
科:ケラ科
形態
体長は約3cmほどになりますが、中には約5cmにもなる大型の個体も確認されています。
全身はコオロギのように茶色の褐色カラーであり、とくに特徴的なのはモグラのように発達した前脚です。
この前脚で地中をかきながら進んでいき、巣を作ったり獲物を探したりします。
オケラを捕まえる機会があれば試してみて欲しいのですが、指の間を無理やりこじ開けようとするため、初めは噛まれたような痛みを感じるほどなため、かなり掘る力は強いと言えます。
また、成虫には羽があるため飛行ができ、さらにオスメス共に発音器官があるため、春から秋にかけて鳴き声を耳にする機会も少なくありません。
生態
オケラは田んぼや畑などの土の中で生活します。
乾燥した土よりも水気のある土を好みます。
ミミズを食べることでも知られているため肉食のイメージをもたれがちですが、植物の種やニンジンなどの野菜も食べます。
穴を堀り進めるためのエネルギーが必要なため、餌や水分不足には弱い生き物でもあります。
生息地(生息域)
オケラは、北海道から本州、四国、九州、沖縄まで全国に生息しています。
アジアだけでなくオーストラリアやアフリカなどにも生息しており、姿も日本のオケラとほとんど同じように感じます。
ただ、オーストラリアには「ツツケラ(Cylindraustralia)」という日本のオケラよりも細長い種類も生息しています。
オーストラリアの珍奇昆虫、ツツケラ(ポケモンの方じゃない)を白バックで撮影しました!
かなりレアな写真なのではと思います。
ひたすら歩き回るのでなかなかいい写真が撮れず苦労しました!面白れぇむし! pic.twitter.com/x2W2j307hp
— 柳澤 静磨 Shizuma YANAGISAWA (@UABIrurigoki) April 5, 2023
また、マレーシアのオケラは5cmを越えると言われています。
オケラの捕まえ方
オケラは見た目が可愛すぎるので飼育もしてみたいですよね。
私もオケラは昆虫の中でトップ3に入るほど好きです。
しかし、狙って捕まえようと探し回りましたが、なかなか見つからずヤフオクで販売されている個体を購入しようかすごく悩みました。
ヤフオク相場は、1匹500円ほどするため、国産のカブトムシやミヤマクワガタよりも高いですね!
ただ、結局私は自力で10匹ほど捕まえましたので、どうすればオケラを効率的に捕まえることができるのか解説していきます。
効率的な捕まえ方
私が過去にある方から聞いたオケラの効率的な捕まえ方ですが、よくカブトムシを捕まえる際、水銀灯や白いシーツなどを使ってライトトラップを行います。
これを光に集まるオケラの習性を利用して捕まえることかできるとのことです。
オケラは泳ぎも得意なため、ライトの側に水をくんだバケツを置いておくと、オケラが中に入っていくというカラクリです。
ただ、このライトトラップを素人が行うには道具を揃える手間もあり、効率的とは言えませんよね。
私がこれまで捕まえたパターン
私が実際にオケラを捕まえたパターンですが、
ポイント
・鳴き声を探して素早く掘る
・街灯に集まっているオケラを探す
・小川に生えていた苔を裏返す
他にも道路の側溝にあるグレーチング(金属製のふた)をはずし、溝に溜まった落ち葉や土を掘り返してみると捕まえられるとの話も聞きます。
※水で側溝が浸水していないこと
釣りをしていたら街灯にオケラが集まって飛んできたことも何度かあるため、街灯を歩き回って確認したほうが早い可能性もあります。
また、雨が降ると地上に出てくる習性を利用して探してみるのも面白いですよ。
※飼育ケースに霧吹きをした場合、地上に出てくることも多い
この後解説しますが、オケラは鳴いている最中にゆっくり近づいても鳴き続ける個体が多い気がします。
素早く掘り起こすことで捕まえることはできますが、なかなか素早いので根気強く粘ってコツをつかんでくださいね。
オケラの鳴き声
オケラは、「ジィー」と低く重たい鳴き声を出します。
夜に散歩をすると、地域にもよりますが、オケラが産卵(繁殖)する5月~6月にかけて鳴き声をよく耳にします。
昔は地中から鳴き声が聞こえることから「ミミズの鳴き声」だと誤解されていました。
オケラの鳴き声についは、こちらの記事に詳しく解説されていますのでご覧ください。
⇒オケラの鳴き声【鳴く理由・オスとメスの違い・鳴きやすい時期など】
オケラの飼育方法【餌やケースなど】
私が実際にオケラを1年飼育している方法をご紹介させていただきます。
しかし、かなりシンプルな造りではあるため、あくまでも参考程度にご確認ください。
オケラ飼育に必要なもの【一覧】
我が家では、DAISOやセリアで販売されているものだけでオケラを1年以上育ててきました。
オケラ飼育に必要なものは?
・300円スライダーケース(DAISO)
・水苔(セリア)
・昆虫ゼリー(DAISO)
・霧吹き(DAISO)
これだけでオケラを飼育しています。
オケラ飼育と言えば水苔ですが、大きなメリットは観察のしやすさにもあります。
このように、横からどこにいるのか確認しやすいのは面白いですよね。
しかし、いくつか注意点があり、全滅する可能性もあるため必ずご確認ください!
※現在、オケラを繁殖させるため、衣装ケースに現地で採集した土(オケラを捕まえた場所)と水苔、カブトムシ用のマットも入れて実験をしていますので、また当サイトでご報告していきます。
オケラが好んで食べる餌
オケラは、基本的に昆虫ゼリーだけでも育てることができます。
しかし、オケラは雑食性であり、植物の根なども好んで食べます。
捕まえたばかりのオケラにニンジンを与えてみたところ、必死に持ち帰って隠そうとし、すぐにガツガツと食べ始めました。
小さいミミズをオケラの飼育ケースに入れておいた際、翌日にはケースからいなくなっていたため食べたと考えられます。
オケラが食べる餌をまとめると、このようなリストになります。
オケラの餌
・昆虫ゼリー
・ニンジン
・かなり小型のミミズ
・煮干しやかつおぶし
・金魚やコオロギの餌
・キャベツ
・ピーナッツ
他にもオケラはミルワームを食べると聞きましたが、我が家のオケラ達は基本的に食べることはなく、毎回ミルワームは成虫になってケース内を歩き回る結果となるため、わざわざ与えなくてもよいかなと感じています。
オケラ飼育時の注意点
オケラを飼育する際は、いくつか注意点もあるためご確認ください。
オケラは乾燥に弱い
オケラは乾燥に弱い生き物です。
オケラ飼育には水苔が良いと言われていますが、意外と水苔だけではすぐに乾燥します。
そのため、毎日霧吹きで水苔を湿らせる作業が必要となり、霧吹きをし忘れるとオケラ達は干からびて死んでしまいます。
実は、私が数日ほど家を空けることがあり、たっぷり水を含ませたはずの水苔が乾燥してしまい、オケラを死なせてしまったことがあります。
水苔だけでオケラを飼育するのは効率も悪く、オケラの命を危険にさらしやすいと感じました。
そこで、試しにオケラを捕まえた土をそのまま入れ、上に保湿用に水苔を被せる形で飼育しましたが、かなり良い状態でオケラ達も丸々太っていました。
※落ち葉なども入れて環境を似せる
湿度や飼育ケース、土の性質にもよりますが、水苔で蒸発を抑えやすくなっていることから土も水分を維持しやすく、オケラが作ったトンネルもしっかりとキープされていたため、少し粘土性のある土が良いと感じます。
※赤玉土を湿らせても良さそう
もちろん水苔だけでも飼育はできますが、毎日乾燥具合を確認するようにご注意ください。
餌不足にも要注意
オケラは土を掘って生活することもあり、エネルギーを消耗しやすいと言われています。
飼育時はケースに作った巣でじっとしていることが多いため、そこまでエネルギーは消耗しているようには感じませんが、餌なしで何日生きるかハッキリした記録はなく、私自身もあえて試そうとは思えないため、常に新鮮な餌を与えるように意識しています。
餌切れを防ぐためにも昆虫ゼリーは常にいれておき、夏場はとくにカビも生えやすいため2~3日おきに交換をしています。
DAISOであれば昆虫ゼリーも16個入りで100円ですので、できるだけ新鮮で美味しいものを与えてあげることが大切です。
ニンジンやキャベツなどの野菜も週に1回ほど与えて交換していますが、これも時期によりカビが生えやすいため、ケースを毎日観察する習慣をつけてください。
その際はオケラをビックリさせないよう、そっと静かに餌を交換してあげてください。
オケラの天敵
オケラは地中で生活しているため、天敵も見つかりづらく少ない印象ですよね。
しかし、実際には
オケラの天敵
・鳥類(モズやムクドリなど)
・カエル
・モグラ
・イタチ
・テン
・猫
・タヌキ
・ミイデラゴミムシ
・寄生バエ、寄生バチ
・人間
など様々な生き物がオケラを捕食します。
江戸時代には小鳥の餌として、オケラが与えられていたとの話も聞きます。
マレーシアなどには、オケラの幼虫や成虫に産卵して寄生する寄生バエや寄生バチ、ミイデラゴミムシの幼虫はケラの卵を食べて成長します。
オケラは光に集まって集まる習性があるため、野良猫やタヌキなどに見つかれば食べられてしまいます。
もちろんオケラをヤフオクなどで販売する人間も天敵だと言えますね。
オケラは絶滅危惧種?
オケラを見たことがない方も少なくありません。
今から50年以上も昔の日本では、全国各地で該当に100匹以上オケラが集まったりと大量発生する光景も目撃されていました。
しかし、私は子供の頃から毎日のように昆虫採集をしていましたが、私の地元では1度しか見たことがないほどかなり珍しい昆虫でした。
主な原因は、農薬の使用や米農家の減少などオケラが快適に過ごしやすい環境が減少していることが関係していると言われています。
ただ、2023年7月現在オケラは絶滅危惧種には指定されている情報は見つかっていません。
また、オケラは昆虫だけでなく、キク科にも「オケラ(Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam)」と呼ばれる植物があります。
このオケラは、京都レッドデータブックによると絶滅危惧種に指定されているため、昆虫のオケラと勘違いする方が少なくありません。
オケラの寿命
オケラの寿命について調査すると、
どれが本当?
・約2年~3年
・飼育下では約2年
・野生下では約1年
・2年説は嘘で約1年
このように意見も様々です。
当サイトでも様々な生き物の寿命について解説をしていますが、飼育下と野生下で寿命が異なるケースは少なくありません。
オケラには天敵も多いため、成虫になる前に食べられてしまう個体も少なくありません。
越冬により餓死してしまう個体も予想以上に多いかもしれません。
しかし、飼育下では徹底した管理により死亡率を抑えることができます。
我が家のオケラは成虫の個体を捕まえてきましたが、既に1年以上生きています。
オケラは幼虫の期間を1年ほど過ごしてから成虫になるため、オケラを飼育下で卵から孵化させて育てた場合、寿命は約2~3年以上になるのではと考えています。
こちらはオケラの繁殖に成功した際にデータをとり、当サイトで解説していきます。
オケラ対策について【畑など】
農家の方々にとってオケラに野菜の根を食べられたりするため、害虫として駆除を考える方も少なくありません。
苗を植える際、発芽までの間に種籾をオケラに食べられるケースが多いため、気温が上がった時期に遅らせることで発芽を早め、オケラに種籾を食べられるリスクを抑えやすくなります。
ダイアジノンを含む農薬を使用することで対策・予防ができると言われていますが、オケラを研究している我が家に寄付をしていただけますと幸いです。
こちらからお気軽にご連絡ください!
可愛いオケラ【写真で確認】
可愛いオケラの写真を様々な角度から確認していきましょう。
正面や下から見たりすることで、オケラの意外な姿を見れて面白いですよ!
【正面から観察】
可愛いオケラを観察するなら、やはり正面からです。
オケラは目もバッチリしてて可愛いですよね!
意外と知られていないのは、口元にはオレンジ色の小顎鬚(しょうがんしゅ)や下唇鬚(かしんしゅ)があることです。
この部分はコオロギやカマキリなどにも見られます。
余談ですが、女性にオケラの正面だけの画像を見せると「可愛い」と言いますが、体全体を画像を見せると「キモイ」と言われる確率が極めて高めです。
【上から観察】
オケラを上から観察すると、茶褐色のしっかりした羽が生えていることが分かります。
おしりはやはりコオロギと同じような構造をしていますが、コオロギのような産卵管はなく退化していると言われており、後半でも解説をしますが、オスとメスの見分け方はかなり難しいことでも知られています。
【横から観察】
オケラを横から観察すると、全体的にバランスが良く、頭部が意外と大きいことが分かります。
やはり土を堀り進めることができるよう、前脚はかなりしっかりした構造になっていますね!
後ろ脚もコオロギのように頑丈な太さをしています。
【下から観察】
オケラを下から観察したことがない方も多いのではないでしょうか。
おしりはぷっくりとボリュームがあり、下半身がかなりガッチリしています。
オケラによくある【Q&A】
オケラによくある質問をまとめましたので、参考にご覧ください。
オケラは害虫?スピリチュアルの意味は?
オケラは農作物の種や根などを食べることから、昔は害虫として嫌われていました。
殺虫剤を使用して駆除する農家も少なくはありません。
しかし、オケラは見た目の可愛さや珍しい昆虫にもなったことで、縁起の良い益虫として注目もされています。
とはいえ、オケラは「無一文」を意味する言葉でもあるため、例えば
注意
・大きな契約に繋がる大切な日
・ギャンブルで大事な勝負の日
・宝くじの当選日
このような日にオケラを見てしまったら縁起が悪い気がしますよね。
ただ、私はオケラを見た後に魚が大漁に釣れたり、仕事の新規契約を結べたりしたことがあるため、オケラのスピリチュアルには「金運・仕事運」を当てはめても良いと感じます。
基本的に様々な生き物のスピリチュアルには金運や恋愛などが含まれますので、あくまでも捉え方次第ですね。
オケラ街道とは?
「オケラ街道」という言葉を耳にしたことはありますか?
私は言葉の通りオケラが多く生息している街道があればと期待をしましたが、東京都府中にある中山競馬場から西船橋の間をオケラ街道と呼ぶようです。
ようは、ギャンブルに負けて手持ちがなくなる帰り道を表す言葉でもあるため、例えばパチスロで負けた帰り道もオケラ街道になります。
全国どこでもギャンブルで負ければオケラ街道ですね。
オスとメスの見分け方は?
オケラのオスとメスの見分け方はかなり難しく、コオロギのように産卵管で区別はできません。
また、通常であれば昆虫はオスが鳴いてメスを呼びますが、オケラの場合はメスも鳴くため、鳴き声でオスとメスの区別をつけることは難しいと言えます。
分かりやすい見分け方として、
メス:翅の筋が平行
オス:翅に横や斜めの太い筋が入っている
この方法があると聞きましたが、正直未だによく分かりません。
ただ、オスのほうがよく鳴くとは聞くため、やはり羽をこすり合わせて鳴くことを考えると、オスのほうが羽が分厚く太い筋が入っているようにも感じます。
オケラは食べれる?
オケラは食用としても利用されています。
昆虫食がブームとなっていますが、その中にオケラも含まれます。
ただ、昆虫の外殻にはキチン質が含まれているため、エビやカニアレルギーをおもちの方はご注意ください。
味は美味しいと聞かないため、おすすめはしません…
オケラの7つ芸とは?
オケラに関する言葉に「オケラの7つ芸」と呼ばれるものがあります。
この言葉には2説あり、
①オケラは「掘る、鳴く、泳ぐ、走る、飛ぶ、登る、跳ぶ」このように多才さを表す
②多芸だがどれも一流の能力ではないため、器用貧乏としてお金持ちにはなれないことを表す
このように真逆の意味があると言われています。
可愛いオケラ【画像集】
引用元:ほっと行動学
オケラが可愛いというより、オケラと犬のコラボが可愛いですね!
また、冬季にもたくさんのオケラ画像が紹介されているため、癒されていただけますと幸いです。
可愛い画像を入手次第、追加していきますね!
オケラが大量発生したらご連絡ください
オケラは見た目もモグラのようで可愛く、さらに掘る、泳ぐなど多才な面も見せます。
飼育も簡単ですが、乾燥に弱いためご注意ください。
最近ではオケラが絶滅危惧種に指定されたのではと心配になるほど見かける頻度は減りました。
我が家でもオケラの繁殖や研究をしたいところですが、なかなか見つけることも難しいため、大量発生した際など是非ご連絡ください!
※募集は状況により終了いたします