アメンボの寿命は何年なのか気になりますよね。
実は、アメンボの寿命には冬眠や年齢、自然災害なども影響すると言われています。
また、調査を進める中で国内と海外では意見が異なることも判明しています。
アメンボの成長過程も含め確認していきましょう。
アメンボの寿命は何年?
成虫の平均寿命は「約1ヶ月~1年」と言われています。
しかし、1ヶ月なのか1年なのか差がありすぎて情報が曖昧すぎますよね。
アメンボの寿命に関しては国内と海外でも情報が異なります。
種類や地域によって記載されている情報も異なると予想できますが、信憑性の高い研究結果は見つかりませんでした。
アメンボの正しい寿命は何年になるのか確認していきます。
アメンボの成長過程
アメンボのライフサイクルで成長過程を確認していきましょう。
ライフサイクル
アメンボは卵から産まれ、5回の脱皮を繰り返して成虫になります。
各脱皮は7~10日間の間隔で行われ、Y字型の部分から頭部と胸部にかけて古い体を脱ぎます。
そのため、アメンボが成虫になるまでには約60~70日かかります。
参考記事:WaterSkater
ただ、これは海外の記事に記載されていた情報であり、NHKさんの記事では「成虫になるまで、およそ40日」と記載されているため、種類により異なる可能性が考えられます。
参考記事:NHK for school
冬眠により寿命が変わる?
冬眠をしないアメンボの寿命は「約1ヶ月〜3ヶ月ほど」と言われています。
しかし、冬眠をする個体の寿命は「約半年~1年」も長生きできるとの意見もあります。
このアメンボの冬眠についてですが、まだ観察例も少ないため、冬眠できない個体の割合などハッキリとしたデータは見つかっていません。
そのため、冬眠しないアメンボの寿命や冬眠したアメンボの寿命については平均してどのくらい生きられるのかデータが不足していると言われています。
水生カメムシ類の中では短命
水生カメムシ類とは、カメムシ目カメムシ亜目に所属する昆虫です。
分類するとタイコウチ下目、アメンボ下目、ミズギワカメムシ下目の3下目に分かれますが、これは人為的なくくりでもあります。
この水生カメムシ類の寿命を確認すると、
タガメ:約1~3年
タイコウチ:約2~3年
コオイムシ:約2年
ミズカマキリ:約1~3年
※野生下や飼育下による
このように、1年を越える種類も少なくありません。
そのため、アメンボは水生カメムシ類の中では平均寿命も短いことが分かります。
野生下では早死にする
野生のアメンボの寿命は飼育下よりも早いと言われています。
その理由として、アメンボの死因が関係します。
飼育下では、アメンボの理想的な飼育環境や餌を確保できれば、栄養面と安全面から寿命が伸びる可能性は高まります。
しかし、野生下ではそうもいきません。
無事に卵から孵化できない個体も含まれるため、飼育下との寿命とは大きく異なると言えます。
アメンボの死因が寿命に関係する
アメンボの寿命について予想はできましたが、死因は何か気になりますよね。
アメンボの死因は、主に
死因
・天敵の魚や鳥などに食べられる
・共食い
・老衰
・寄生
などになります。
しかし、意外なことに溺死する(溺れる)アメンボも少なくありません。
雨が降っただけでアメンボの体は沈みやすくなり、溺死する個体もいます。
そのため、雨が降り始めるとアメンボ達は障害物のある場所へ避難します。
霧吹きをアメンボにかけるだけで体が沈み始めるため、かなり繊細であることも分かります。
大雨が降るとアメンボが棲む川や用水路も水で溢れます。
実際にはかなりのアメンボが溺死している可能性も考えられますね。
また、水質の影響でアメンボが上手く泳げずに溺死している可能性もあります。
水面に油が浮いていると、表面張力を弱めるためアメンボは溺れてしまいます。
環境次第でアメンボの寿命は長くも短くもなることが分かりますね。
アメンボの寿命はまだ謎が多い
アメンボの寿命について調査を進めましたが、「約1ヶ月~1年」とかなり曖昧な数値です。
国内と海外で数値が異なりますが、アメンボの種類や気温などにより寿命は異なる可能性も考えられます。
成虫になるまでに脱皮を繰り返し、約40~70日かかることも考えると、アメンボの寿命が1ヶ月とは考えづらいですね。
私自身も子供の頃にアメンボを捕まえて観察した経験もありますが、成虫を1ヶ月飼育して逃がしたこともあるので最低でも2ヶ月以上は生きる個体が多いと予測できます。
冬眠についてもさらに明らかになれば、アメンボは私達が予想するよりも長生きしているのかもしれません。