イモリには毒性があるのか気になりますよね。
見た目は明らかにお腹が赤色であったりと怪しい外見ですよね。
もし毒性があるとすれば毒性の強さから死亡例や症状などについても確認しておく必要があります。
ペットとして飼育される前にご確認ください。
イモリに毒性はあるのか?
イモリの見た目は、上から見れば黒色の両生類ですが、下から見ると赤色と黒色の模様で明らかに毒がありそうな外見をしていますよね。
これは毒をもっていることを天敵に伝えるための警告色だと考えられています。
そのため、イモリは毒性のある生き物だと言えます。
テトロドトキシンを持つ
イモリには天敵から身を守るために「テトロドトキシン」という毒素を持っています。
このテトロドトキシンはフグと同じ毒素です。
青酸カリの千倍以上とも言われるほどの猛毒です。
さらにテトロドトキシンは調理程度の加熱では壊れない毒素でもあります。
トラフグ1匹分の毒の量は、人間約10人分の致死量に相当するほどです。
テトロドトキシンの中毒症状について確認していきましょう。
中毒症状
テトロドトキシンは神経毒のため、麻痺を起こしやすい毒素です。
吸収が速いため、摂取後は約20分~数時間程度で、進行性の運動麻痺や言語障害、知覚異常が現れます。
第1段階では軽い唇などの痺れですが、第3段階にもなると全身の麻痺まで進行し、第4段階では意識を失い呼吸が停止する形となります。
致死量
テトロドトキシンによる人間の致死量は2~3mgと言われています。
もしアカハライモリ1匹にこの量のテトロドトキシンが含まれているとすれば、かなり危険な生き物であると言えます。
イモリに含まれる毒素の量とは?
イモリに含まれるテトロドトキシンの量について詳しい文献は見つかっていません。
しかし、イモリには含まれるテトロドトキシンの量は極めて少なく、必ずしもテトロドトキシンを持つとは限らないとも言われています。
これは食性や環境にも関係し、時期にもよりテトロドトキシンの量は個体により差がある可能性が考えられます。
ビブリオ菌の中にテトロドトキシンが検出されるものがあり、ビブリオ菌は海だけでなく川にも存在します。
イモリは自身でテトロドトキシンを作り出すのではなく、テトロドトキシンが蓄積された生き物をイモリが食べて蓄積されていきます。
※生物濃縮と言われる
しかし、イモリは江戸時代から精力剤として食べられてきました。
危険ではない食べ物であると判断されていることから、毒性の低さにも納得がいきますね。
人工餌を与えて育てた養殖のイモリであれば、さらに安全性は高まると言えます。
実際にイモリを捕食するアオサギなどの鳥類も毒に犯されて死ぬことはありません。
ただ、イモリを捕食して死亡したと思われるヘビやカエルの話を耳にしたこともあるため、必ずしも安全な生き物とは言えない可能性もあります。
犬や猫がイモリを食べた場合【対処法】
犬や猫がイモリを誤って食べてしまった場合はどうすれば良いのか気になりますよね。
カルフォルニアイモリの場合、アカハライモリと比べても毒性は強い種類だと言われています。
そのため、ペットの犬や猫がイモリに対し噛みついたり、食べたりと口に入れたりするのを見つけた場合は、一刻を争うと言われています。
対処法の流れとしては、
流れ
①手袋を着用し、ペットの口からイモリを取り出す
②ペットの口の中をすすぐ
※水を無理にのどに流し込まないように注意する
③ペットを車に乗せ(猫はキャリーに入れて)て動物病院(時間外の場合は緊急動物病院)に連れていく
日本でもイモリは田んぼや用水路で見かける生き物です。
散歩中に誤って遭遇してしまわないように注意が必要です。
また、イモリはホームセンターでも手軽に購入できますので、ペットとして飼育する際にはペットの手が届かない場所で管理するようにしなければいけません。
参考記事:petpoisonhelpline
イモリの毒性に関する【Q&A】
イモリの毒性に関する良くある質問をまとめました。
意外な情報が見つかるかもしれませんので、参考にご覧ください。
イモリを食べた死亡例はある?
イモリは江戸時代から精力剤として食べられていますが、死亡例は見つかっていません。
そのため、毒性はかなり低いものであると言われています。
ただ、生でヤモリを飲み込んでサルモネラ菌で死亡した事例はあるため、イモリも生で食べたりしないようにご注意ください。
イモリのどこから毒素を出すのか?
イモリは耳腺から白っぽい液体を出します。
※皮膚や筋肉からも毒素を出す
ヒキガエルのように白い液体を出すことは意外にも知られていないため、触った際にはテトロドトキシンの成分が手に付く可能性は考えられます。
イモリを触った後に目を触ると?
イモリを触った後に目を擦ったりすると激しい痛みや炎症を起こす可能性があります。
ホームセンターでも気軽に買えるほど基本的に毒性は低いとも言われていますが、最悪の場合は失明する可能性もあると言われているためご注意ください。
イモリを触っているとくしゃみや涙が出ることもあります。
金魚など魚類と一緒に飼える?
イモリと金魚は一緒に飼えますが、餌が異なり管理の手間も増えます。
金魚は雑食なため、イモリの餌も食べてしまうことがあります。
そのため、確認しておかなければ栄養不足によりイモリが早死にするケースも考えられます。
脱走のリスクもあるため、事前にお互いの飼い方について把握することが重要です。
イモリが必ずしも安全とは限らない
イモリはテトロドトキシンという毒素を持ちますが、個体によりほとんど毒性を持たない可能性もあります。
しかし、中にはイモリを捕食したヘビやカエルが死亡した例もあるため、イモリを触った後に目を擦るなどの行動には注意が必要です。
ホームセンターで販売されているイモリは、野生下で捕まえてきた個体も多いため、過ごしてきた環境次第ではテトロドトキシンを多く蓄積している可能性もあります。