首の赤いカミキリムシを見つけたけど名前や生態が何か気になりますよね。
農家にとっては駆除に困っているとの声も少なくありません。
私自身も生涯で数回しか見かけたことはありませんが、この首の赤いカミキリムシの正体と習性、駆除による懸賞金などについてご紹介していきます。
首の赤いカミキリムシの正体
首の赤いカミキリムシの正体は「クビアカツヤカミキリ」です。
駆除に懸賞金をかけられたりといろいろ問題視されているこのクビアカツヤカミキリですが、そもそもどのような生き物なのか解説をしていきます。
クビアカツヤカミキリは外来種
クビアカツヤカミキリは日本原産の種類ではなく外来種です。
・中国(亜寒帯〜亜熱帯)
・モンゴル
・ロシア極東部
・朝鮮半島
・ベトナム北部
などに分布する。
イタリアや日本(栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、愛知県、大阪府、徳島県)に外来種として移入・定着している
引用記事:Wikipedia
日本では2012年に初めて愛知県で発見され、その後は2013年に埼玉県、2015年に群馬県と生息範囲を拡大させていき、2021年までには主に本州の各地に生息が確認されています。
侵入経路は輸入木材や貨物に侵入していたと予想されています。
クビアカツヤカミキリの特徴
クビアカツヤカミキリの特徴は、見た目通り首に赤いラインが入っていることにあります。
そして、主にサクラやウメなどバラ科の木に対する食害で問題視されている繁殖力が大変強いことも大きな特徴の1つです。
1匹の雌が100~1000個もの卵を産み、日本の場合は約2年後の6月中旬~8月上旬頃に成虫となって繁殖を繰り返していく形となります。
※成虫での寿命は1ヶ月程度で越冬はしない
この数のクビアカツヤカミキリが毎年成虫となって生まれてくると考えると、多くのサクラの木などに悪影響を与える結果となります。
クビアカツヤカミキリの駆除に懸賞金制度を導入
このようなクビアカツヤカミキリの食害に対し、各都道府県で駆除を行い
懸賞金制度までもが導入されています。
埼玉県行田市:クビアカツヤカミキリ10匹につき500円分を奨励品として交付される
栃木県小山市:クビアカツヤカミキリの成虫1匹につき、小山市クビアカツヤカミキリ捕殺確認証1枚が交付され、捕殺確認証10枚につき500円を交付がされる
実際にクビアカツヤカミキリ1匹に対しかなりの被害が出ています。
フラス排出孔からも削りカスが大量に出るほどです。
被害状況につきましては、こちらの埼玉県環境科学国際センターさんの記事が参考になります。
クビアカツヤカミキリは飼育できる?
クビアカツヤカミキリは平成30年1月15日に特定外来生物に指定されています。
そのため、飼育は原則禁止されています。
違反した場合もかなり罪が重いため、無許可の飼育は控えなければいけません。
【飼養関係許可なく飼養等をした場合(販売・配布目的)】
個人:3年以下もしくは300万円以下
法人:1億円以下
【許可なく飼養等をした場合(愛がん(ペット)等の目的)】
個人:1年以下もしくは100万円以下
法人:5千万円以下
【偽りや不正をして飼養等の許可を受けた場合】
個人:3年以下もしくは300万円以下
法人:1億円以下
【放出関係許可なく野外に放った場合】
個人:3年以下もしくは300万円以下
法人:1億円以下
参考記事:環境省(日本の外来種対策)
クビアカツヤカミキリの対応にはご注意ください
クビアカツヤカミキリは見た目も珍しいカミキリムシですが、外来種であるため対応には注意が必要です。
特定外来生物ですので、飼育した場合などは罰則があります。
サクラやウメなどの木に対し多大な被害を与えるため、クビアカツヤカミキリを見つけた、いると予想できる場合は役所などにご連絡ください。