クラゲの寿命は平均して何年になるのか、最長でどのくらい生きるものなのか気になりますよね。
クラゲの体は最大で98%が水で構成されおり、脳や心臓ありません。
中には寿命のない不老不死の種類もいるとの噂があります。
このクラゲの寿命について解明していきましょう。
クラゲの歴史
クラゲは魚ではなく、ゼラチン質の無脊椎動物に分類されます。
そして、クラゲには骨がありません。
そのため、考古学者が掘り起こして研究するような化石は残りません。
しかし、専門家によりクラゲが恐竜よりも前、つまり5億年以上も昔から世界中の海を泳ぎまわっていたことが証明されています。
私達が予想するよりも昔からクラゲは地球で生き延びてきた種類だということですね。
クラゲの寿命は何年?
クラゲの種類はスミソニアン協会によると約4000種と言われています。
不思議な見た目から「寿命もかなり長いのでは?」と多くの方が疑問を抱いています。
実際にクラゲの寿命は平均して何年になるのか確認していきましょう。
平均寿命は「約半年~3年」
クラゲの寿命は、平均して「約半年~3年」とされています。
もちろん平均寿命となるため、中には数日で死んでしまう種もいれば、3年以上生きるクラゲもいます。
あなたが普段水族館や海で見かけるミズクラゲも約1年の寿命です。
ただ、クラゲのライフサイクルは複雑なため、専門家でもクラゲの寿命を明確に答えることはできない状況です。
しかし、クラゲの中には「寿命がない」と言われている種類がいることをご存知でしょうか?
寿命がないクラゲがいる?
寿命がないと注目を浴びているクラゲが「ベニクラゲ」という種類になります。
なぜこのベニクラゲが不老不死だといわれているのか?
その答えは、「自ら退化できること」にあります。
多くの種類のクラゲは、オスとメスが有性生殖をした後はエネルギーを使い果たして死んでしまいます。
しかし、ベニクラゲは海底へと沈み、その後「ポリプ」に戻ります。
このポリプですが、クラゲが卵を産んだ次の段階の姿です。
ベニクラゲはこのサイクルを戻すことができる。
※しかも1度ではなく何度でも可能である
つまり、私達人間であれば「大人が身長を縮めて子供の姿に戻るようなイメージ」ですね。
これは「多細胞動物」と言い、私達人間も含め不老不死の特徴を持っているのはベニクラゲだけとも言われています。
しかし、ベニクラゲは魚やカメに食べられることもあり、その際には消化液により消化されます。
捕食者の糞の中で再生されるとは考えづらく、さすがのベニクラゲも食べられてしまえば寿命も尽きるということですね。
そのため、ベニクラゲが海を埋め尽くすほど増えることはなく、食物連鎖のバランスも保たれます。
クラゲが産まれてから死ぬまで
クラゲが産まれて死ぬまでのサイクルは、このような流れとなります。
引用画像:BBC Science Focus Magazine
右下の3つ目のポリプにベニクラゲは成体から戻ることができるということですね。
クラゲのサイクル
①受精卵:クラゲの成体(メデューサ)が水中に産卵して受精卵が作られる
※ミズクラゲなどの種類は、この段階で親は死んでしまう
②プラヌラ:受精卵からプラヌラが誕生する。この段階では自由に泳ぎ回ることができる
③ポリプ:プラヌラが海底やサンゴなどの固い場所を探して泳ぎ、消化器官を発達させて自給自足ができるようになる
水質や水温などの条件が安定した後は、無性生殖によりクローンを作り、小さなコロニーを形成する
④エフィラ:ポリプからエフィラになり、この段階なら泳ぐことができ、捕食して成長する
⑤メデューサ:成体のクラゲを指し、有性生殖を行うことができる段階となる
この流れを繰り返して種を保ちます。
※ベニクラゲは自らポリプに戻ることができる
メデューサの段階でペットショップに販売されていたりもしますが、この段階から約3ヶ月で寿命がくる種類もいるため、すぐに死んでしまうと誤解されやすいこともクラゲの飼育が難しいと言われる理由の1つです。
クラゲの飼育【長生きさせるコツ】
飼育下でクラゲの寿命を伸ばすためには、
注意
①水槽選び
②水温とPH
③餌の種類と頻度
こちらを徹底する必要があります。
適切な水槽を選び
水槽と言えば長方形や正方形の水槽ですね。
しかし、クラゲにとってこの一般的な水槽では怪我をする可能性があります。
そのため、クラゲを傷つけないよう縁が湾曲した円形タイプの専用水槽が理想的です。
キュービックから発売されているクラゲ専用水槽の「Orbit 20」が有名ですが、やはり形は円形タイプとなっていますね。
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値段が手頃なタイプも販売されています。
※EnergyPowerクラゲ専用水槽
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釣りやガサガサなどで捕まえた際、観察する程度なら一般的な水槽に入れても良いですが、飼育する場合は必ず専用の水槽を用意しましょう。
適切な温度とpHレベルを維持
クラゲを育てる際には、水槽のメンテナンスも意識しなければいけません。
水を清潔に保ち、種類にもよりますが18~25℃の水温を維持する必要があります。
ミズクラゲ:約15℃~25℃
タコクラゲ:約22℃~25℃
サカサクラゲ:約23~25℃
また、水槽にクラゲを入れた後は、数日おきに水質検査を行う必要があります。
市販でも購入できるPH検査薬でPHが7.9~8.4になるようにしましょう。
そして塩分濃度も34~35pptであることが理想的ですが、こちらは調整が難しい際には既に調整された「クラゲ水」などの飼育水を購入されると便利です。
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餌の種類と頻度
クラゲが健康的に暮らせるように餌選びや頻度も重要です。
クラゲの餌にはドライタイプや冷凍タイプ、ライブなど様々な種類の餌があります。
中でもブラインシュリンプがクラゲの食事として人気です。
また、生きたワムシをおやつとしてあげることもできます。
市販でもクラゲフードが販売されている店舗もあるため、確認してみると良いです。
餌の頻度は1日2回与える必要があるため、旅行の際には自動給餌機を用意しましょう。
人工のクラゲでインテリアを楽しむ
クラゲの飼育には水槽代や管理も大変です。
寿命も短いため、すぐに死んでしまう可能性があります。
最近ではインテリア用にシリコン制の人工クラゲのグッズも販売されており、卓上用にも様々な水槽が販売されています。
こちらでオシャレに部屋を飾ることもできますので、参考にご覧ください。
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