「カタツムリをペットにしてはいけない」との声を多く耳にします。
注意
・寄生虫がいる
・毒性がある
・食べたら死ぬ
など危険性については事前に確認しておきたいですよね。
実際に私もカタツムリを飼育しているため、危険性について確認した結果をご確認ください。
また、粘膜などを顕微鏡で確認もしてみましたので、こちらもご覧ください。
カタツムリをペットにしてはいけないのか?
「カタツムリをペットにしてはいけない」と言われる理由として、やはり
注意
・寄生虫がいる
・粘液を触った手が危険
・住血線虫症により命を落とす危険性がある
などの不安や注意を呼び掛ける声を多く耳にします。
ハワイでもカタツムリは危険生物として恐れられています。
最も危険性が高いのは「広東住血線虫」です。
私も子供の頃にカタツムリを見つけたら家に持ち帰って飼育していました。
実は、今でも同じようにカタツムリを見つけて飼育中です。
子供はとくにカタツムリに危険な寄生虫が潜んでいることを知らない可能性が高いため、ペットとして腕に乗せたりして遊んだあと、そのままお菓子を食べて寄生虫が体内に入り込む可能性があります。
そのため、「カタツムリをペットにしてはいけない」との呼び掛けが広まったと予想できます。
カタツムリに潜む寄生虫について
カタツムリには住血線虫などの寄生虫が粘液などに含まれている可能性があります。
この住血線虫症に対する予防薬はなく、寄生されると頭痛や吐き気、嘔吐などの症状が出ます。
また、症状があらわれるまでに約1~3週間かかるため、カタツムリをペットとして飼育し始めてから少し経ってから頭痛が始まっても原因がカタツムリだと気づきづらいデメリットがあります。
最悪の場合、麻痺や失明の可能性もあるためご注意ください。
2000年には日本でも初めて死亡例が出ています。
他にもカタツムリに寄生するロイコクロリディウムという寄生虫がいることでも知られています。
このロイコクロリディウムは人に寄生しないと言われていますが、ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリを人が食べると脳に寄生されるなどの噂もあります。
ロイコクロリディウムは、日本では沖縄で1種、北海道で2種見つかっていますので、本州でも見つかる可能性は十分にあります。
カタツムリには毒性がある?
カタツムリに毒性はないと言われています。
やはり危険とされているのは寄生虫です。
しかし、カタツムリは世界で約3万種、日本だけでも800種が確認されています。
未確認の新種の中に毒性をもつカタツムリが見つかってもおかしくありません。
環境により毒性を含む食べ物をカタツムリが食べた場合、体内蓄積されて毒性を含むカタツムリがいてもおかしくはないのではと感じています。
カタツムリを飼育すると危険?【飼育歴1年】
我が家にもカタツムリが7匹います。
飼育し始めてから1年以上が経ちますが、とくに飼育し始めてから頭痛や嘔吐がひどくなったことはなく体調不良は起きていません。
種類はクチベニマイマイだと思われますが、私が普段ウォーキングで通る公園で捕まえた個体です。
もちろんクチベニマイマイにも寄生虫が潜んでいる可能性はあるため注意する必要はありますが、手洗いを徹底していることもあり、今のところ問題はありません。
掃除など触る時は殻を掴み、直接手に乗せたりはしないように注意はしております。
カタツムリの粘液が危険?【顕微鏡で確認】
カタツムリの粘液に本当に寄生虫がいるのか顕微鏡で確認してみました。
カタツムリの体をスライドガラスに擦り、とれた粘液を確認した結果がこちらです。
とくに寄生虫は見つからず、薄い粘膜の中にほこりが入っているように見えるだけでした。
カタツムリが歩き回ったレタスも確認してみました。
また、直接カタツムリの体を観察もしてみましたが、やはりとくに動いている寄生虫なども確認できませんでした。
※カタツムリの目
以前、ナメクジの粘液にも寄生虫がいるのか確認してみた時も、とくに寄生虫は見つからなかったため、粘液には意外と寄生虫がいない可能性があります。
しかし、私が確認した個体は数ヶ月飼育しており、顕微鏡で確認した個体も5匹程度ですので信憑性は高くありません。
カタツムリやナメクジに寄生虫が潜んでいるのは粘液だけではなく、消化管内や肝膵臓なども含まれます。
ナメクジカンセンチュウ属線虫がナメクジの死体の中で動く様子も確認がされています。
参考記事:東邦大学 寄生虫動画集
もしカタツムリがキャベツや白菜などの野菜についていた場合は、しっかりと洗うか、念のためについていた部分を捨てるようにしたほうが良いです。
100℃の熱湯で3分以上熱すると死滅するため、不安な場合は加熱するようにしましょう。
また、ネタでもカタツムリを生で食べないようにご注意ください。
カタツムリを食べて死亡【事例】
実際にカタツムリを食べて死亡した事例はあるのか調査を行いました。
その結果、やはり死者が出ていることが確認とれました。
髄膜炎を発症後に死亡
ベトナムのホーチミンで当時47歳の女性がカタツムリを食べて死亡しています。
この女性がカタツムリを食べた理由は、胃痛に悩まされていた時に「カタツムリが胃痛に効果がある」と耳にし、試してみたようです。
カタツムリを食べたあとに頭痛を引き起こし、病院へ搬送されましたが髄膜炎を起こして死亡しました。
ナメクジを食べて広東住血線虫により死亡
カタツムリではありませんが、ナメクジを食べて死亡した例はカタツムリよりも多いように感じます。
オーストラリアに住む男性が仲間と飲んでおり、悪ふざけでナメクジを丸飲みしました。
その後、両足に激しい痛みを感じ、全身にも力が入らなくなりました。
1年以上昏睡状態となり、その後死亡しました。
原因は広東住血線虫と言われており、やはり危険性の高い寄生虫であるためカタツムリを触ったあとは必ず手を洗うなど対策をしなければいけません。
カタツムリをペットとして飼育する場合は、衛生面も配慮する必要があるということです。
⇒昆虫食で死亡した事例【7選】危険な食べ方や注意点を必ずご確認ください
カタツムリの危険性について【Q&A】
カタツムリの危険性についてよくある質問をまとめましたので、参考にご覧ください。
カタツムリを食べる生き物も危険?
アフリカマイマイなどのカタツムリには、広東住血線虫が潜んでいる可能性があります。
※中間宿主として
この広東住血線虫に寄生されたカタツムリやナメクジを食べたカエルなどの生き物に寄生する形となるため、さらにYouTubeのネタなどでこの生き物を食べた場合、人にも広東住血線虫が寄生する可能性がでてきます。
⇒ミヤコヒキガエルの寄生虫について【発見から1年間の経過報告】
カタツムリを触った後は?
カタツムリを触ったあとは、必ず石鹸で手を洗うようにしましょう。
また、手に傷がある場合はそこから広東住血線虫が体内に侵入する可能性もあるため、ペットとして飼育するにはリスクが大きいと言えます。
カタツムリの化粧品も危険?
カタツムリが美容に良いことは世界中でも有名な話ですが、実は失明などの恐れがあるとの噂があります。
しかし、実際に失明したとの報告はなく、化粧品は安全性も考慮されて製造されています。
ただし、現地などで安く販売されている化粧品は危険な成分が含まれている可能性もあるため注意が必要です。
カタツムリをペットにできるが消毒は徹底しよう
カタツムリをペットとして飼育することはできます。
しかし、広東住血線虫などの寄生虫が潜んでいる可能性があるため、行政でも「むやみに直接手で触らないように」と注意を呼び掛けている都道府県もあります。
とくに発症例の多いタイや台湾などの海外に行く際には、生野菜を控えるなどの予防を意識することも大切です。
ペットとしてカタツムリを飼う場合は、飼育ケースを掃除した場合も含め、必ず手を洗って清潔にするようにしましょう。