てんとう虫の寿命は何年になるのか気になりますよね。
調査を進めると「平均で2ヶ月」などの意見を見かけますが、もっと長い可能性がございます。
今回はてんとう虫が卵から幼虫、成虫になるまでの一生についてもまとめましたのでご覧ください。
てんとう虫の寿命は何年?
てんとう虫の寿命は約2ヶ月と言われています。
しかし、「この平均寿命は短すぎる」という意見もあります。
実は、この平均寿命はてんとう虫が成虫となってから一生を終えるまでの期間と言われています。
越冬すると寿命が3倍に?
てんとう虫は越冬する昆虫です。
てんとう虫は孵化した時期により、枯れ木や石の下などに集団で集まって冬を越します。
※別の種類が混ざることも多い
また、気温が高い夏にはアブラムシも減るため、夏眠を行うこともあります。
冷蔵庫で3ヶ月眠ることもあると言われています。
この夏眠や越冬した個体の平均寿命は「約6ヶ月」と言われているため、一般的な平均寿命より約3倍も長生きできることになります。
しかし、海外の情報では「てんとう虫の成虫は約1年生きる」と解説されている記事を多く見かけます。
※環境や種類によって寿命は異なる可能性はある
参考記事:a-z-animals
そのため、てんとう虫の平均寿命が約2ヶ月という意見は、てんとう虫が夏眠や越冬をしない場合の数値である可能性が予想できます。
てんとう虫の最大寿命は?
てんとう虫の最大寿命についてはギネス記録も見つかっていないため、野生下や飼育下でも最大で何年生きたのか詳しい記録は残っていません。
夏眠や越冬により寿命も異なるため、正確に記録するには温度管理も徹底して餌となるアブラムシを確保するなどの対策もしなければいけません。
てんとう虫の一生【卵から幼虫、成虫まで】
てんとう虫は卵から幼虫、サナギ、そして成虫の4段階で成長します。
てんとう虫の一生を日数と共に確認していきましょう。
交尾から産卵まで
メスのテントウムシは、交尾から7日目後に幼虫が食べられるアブラムシが多く生息する植物の近くに卵を産みます。
てんとう虫のメスは一度に約200個の卵を産み、全部孵化するまでには1週間もかかりません。
葉っぱに産み付けられたてんとう虫の卵は、表面に粘着性があるため地面に落ちることもありません。
てんとう虫の卵の特徴は、色鮮やかなオレンジや黄色で紡錘形で縦長の形をしていることが多いです。
この卵の成長には温度が関係しますが、基本的に約5〜7日後に孵化します。
※孵化直前の卵は灰色を帯びる
幼虫の特徴と期間
てんとう虫の卵が孵化すると、両親とは全く別の姿をした幼虫が生まれます。
種類にもよりますが、黒や紫、オレンジの模様があり羽もありません。
背中に小さなトゲがあることも特徴的ですが、触っても痛くありません。
6本の脚で動き回り、アブラムシなどの昆虫を食べて成長します。
この幼虫の期間は約1ヶ月となります。
※気温や種類によりもっと短い可能性もある
サナギの特徴と期間
孵化してから十分に成長した後、幼虫は茎に固定され、皮膚が剥がれ落ちます。
そして、サナギとなって成虫になる準備に入ります。
約7日~14日後にサナギの皮が割れ、幼虫の頃とは大きく見た目も異なる成虫のテントウムシが姿を現します。
羽化してからは外骨格が固まるまでに約1時間、斑点や体色が現れるまでには約1日かかるため、この間にアリなどの天敵に襲われる可能性もあります。
成虫の特徴と1年の寿命
テントウムシの成虫は、見た目が色鮮やかで丸い形をしていることが特徴ですよね。
種類によって斑点の数や体色が異なることも面白い違いです。
この体色により天敵からも攻撃されにくくなります。
また、てんとう虫は手足の節から苦味のある黄色の液体を出します。
この液体の正体についてはこちらの記事で解説しています。
⇒てんとう虫の毒性|黒いてんとう虫は特に危険?【黄色の液体の謎】
てんとう虫は一生の間に約5,000匹ものアブラムシを食べると言われています。
アブラムシの代わりに植物を食べるテントウムシの種類もいます。
そして、テントウムシが交尾をして卵を産み、また幼虫が産まれてサナギになるサイクルを繰り返す形となります。
てんとう虫の寿命は気温や生活環境で異なる
てんとう虫の寿命は約2ヶ月と言われていますが、成虫の段階で約1年生きる意見も少なくありません。
この意見の違いにはてんとう虫の夏眠や越冬が関係しています。
気温が高すぎる夏場には夏眠し、産まれた時期により越冬もするため、てんとう虫が産まれた地域や生活環境により寿命は異なると予想できます。
他にもてんとう虫の天敵の増加や生息域の減少なども餌となるアブラムシが不足するため、てんとう虫の寿命は短くなる原因に繋がります。